1779年〜1846年
玉堂の長男として備前岡山城下に生まれた浦上春琴は、少年の頃より詩画に才を発揮した。16歳で父の脱藩に同行して岡山を出奔、以後京都を拠点に活動し、写生に基礎を置いた温和な山水や花鳥を多く描き、洗練されて気品ある画風で関西きっての人気画人となる。晩年の玉堂と暮らし、頼山陽や田能村竹田、小石元瑞ら文人たちと交流。68歳で亡くなるまで精力的に画筆を執り、画論『論画詩』『続論画詩』も著している。
1785年〜1871年
玉堂の次男として備前岡山城下に生まれた浦上秋琴は、10歳で父の脱藩に伴い岡山を去る。翌年、玉堂が会津藩の招聘に応じて会津に向かった折に同道し、父が土津神社の神楽を再興した功によって11歳で会津藩士となる。詩画をたしなむものの、23歳で雅楽方頭取となるなど会津藩内では音楽面の活動が中心だった。70歳で官職を辞し、会津戦争終戦に際して進駐した備前藩の兵士とともに85歳で岡山へ帰る。その後も画筆を執り、87歳で没する。
[単行本]
- 龍川清『浦上玉堂―人と芸術―』(国書刊行会、1976)
- 鈴木進、松下英麿、吉沢忠『浦上玉堂畫譜 全三帙』(中央公論美術出版、1977〜79)
- 鈴木進『日本の美術148 浦上玉堂』(至文堂、1978)
- 脇田秀太郎『日本美術絵画全集第20巻 浦上玉堂』(集英社、1979)
- 鈴木丞平河野元昭編『日本美術全集24 大雅/玉堂/応挙』(学習研究社、1979)
- 佐藤康宏『浦上玉堂』新潮日本美術文庫14(新潮社、1997)
- 武田光一『日本の南画』世界美術双書008(東信堂、2000)
- 安村敏信『絵師別 江戸絵画入門』(東京美術、2005)
[展覧会図録]
- 福島県立博物館編『玉堂と春琴秋琴―浦上玉堂父子の芸術―』(福島県立博物館、1994)
- 岡山県立美術館、千葉市美術館『浦上玉堂』(岡山県立美術館千葉市美術館、2006)